プレゼンに対する私の恐れ

Nothing in life is to be feared, it is only to be understood.
人生には恐れるべきものは何もない。理解しさえすればいいのだ。
Marie Curie

私は業務上、大勢の前でプレゼンをすることは少ない。それでも年に1~2回はそのような機会がやってくる。もともと緊張しやすく、人前で喋ることに強い恐怖があるが、ふと何を恐れているのかハッキリとさせてみたくなった。スピーチや発表に対する私が恐れている最悪のシナリオを書き留めておく。

前夜

発表の前日から眠ろうと思っても眠れない。何度も布団に入り、「眠らねば」と思うと同時に、焦りと不安がうごめく。さらに、「このままでは万全の体調でプレゼンに臨めない」ということで、何か恐ろしいことが起こるように思えてくるる。「考えるな」、「ありのままに感じればいい」と考えるが、悪い予感をふりきることができず、苦しい。だんだんと自分がみじめに思えてくる。

最悪な一日

電車の中、なんとか不安を無くそうとするが上手くいかない。発表が始まる前に、会場に到着してからも緊張感・ぎこちなさが治まってくれない。何かの拍子に身体が開き直って不安がなくなることを期待したのに、そうならなかった。平静を装おうと必死に努める。共同の発表者や知り合いと話しても、オドオドとした自分が嫌になる。腕があがり、頻繁に動いている、自分が猫背になっているのが分かる。落ち着かず、うろうろと歩き回る。「自分が不安になっていること」「自分がオドオドしていることが周りにバレている」と思うと悲しくなってくる。

登壇し、もうすぐ発表が始める。参加者に自身があるように見せたいけれど、俯いて原稿を読んだり、パソコンをゴソゴソと触ったりしてしまう。「ああ」「ああ、不安そうにしてしまった。」開始時間が近づく。動悸が強い。体の表面が熱い。汗をかいてしまっている。「汗をぬぐいたいけど、ぬぐったら不安なことがばれてしまう?」「いや、むしろ堂々とぬぐった方が不安には見えないはずだ」など頭の中が騒がしい。自己意識が過剰になって周りが見えない。なんとか汗をぬぐう。「それでも怖い」、「拒絶されるのが怖い」といまの状況からはズレた恐怖も感じる。体が硬い。足がわなわなしてきて、居ても立っても居られない。

発表が始まる。声がリラックスした時の声ではない。のどが絞まった感覚で、言葉の語尾が小さい声で曖昧になる。テンポも悪い。頭が働かないような感覚が強い。どこかで不安が下がることを期待してフロアを見てみるけど、不安は消えてくれない。発表をしながらも体が熱い。汗をかいている感覚がある。マイクを持つ手が震える。不安を和らげるために、マイクの動きをそのままに任せる。けれどもやっぱり、マイクは震え、「これだけマイクが震えるのは誰から見たって変だよな」と思う。声が震える。それでも声を出さなければならないので、喋りつづけるが、嫌になる。「恥ずかしい」、「消えてしまいたい」という気持ちになる。「やらなければ良かった」という後悔が発表の途中から始まる。発表が「から回ってる」「理解されていない」という感覚ばかりが強くなる。全くダメで終わる。拍手もまばら不機嫌そうな表情の美人、イケている男性も首をかしげている。

その後、別の席についても、他のプログラムが進んでいても、懇親会へ行っても、自分がダメだったシーンを何度も思い出す。きっと立ち直れないと思う。

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